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市販後安全管理と脆弱性対応

販売後製品のSBOM整備をどこから始めるか

対象読者: 市販後安全管理部門 品質保証部門

SBOMが必要と分かっていても、「もう販売している製品にSBOMを作れるのか」という疑問を持つ方は少なくありません。結論から言うと、販売後製品でもSBOMは作れます。ただし、新製品の開発時とは異なるアプローチが必要です。

なぜ販売後製品のSBOMは難しいのか

開発時であれば、使用するOSSやライブラリは開発環境に記録されており、SBOMの生成ツールを走らせればある程度自動的にリストが作れます。一方、すでに出荷された製品では以下のような問題が起きがちです。

  • 開発した時期が古く、当時の記録が残っていない
  • 担当者が退職していて詳細を把握している人間がいない
  • ビルド環境が再現できず、自動解析ツールが使えない
  • ファームウェアが独自フォーマットで、解析が困難

これらの困難はありますが、「できないから諦める」ではなく、「どこまで把握できるか」を段階的に進めることが現実的な対応です。

ステップ1:入手できる情報から始める

まず、手元にある情報で作れる部分から始めます。

  • 開発ドキュメント・設計書に記載されているOSS・ライブラリのリスト
  • ソースコードや設定ファイルに残っている依存情報(package.json、requirements.txt、Makefileなど)
  • ビルドスクリプト・リリースノートに記録されたコンポーネント情報

これらを元に「暫定SBOM」を作り、記録が不明確な部分には「確認中」「詳細不明」と明示しておきます。完璧を目指すより、「現時点で分かっていること」を文書化しておくことが重要です。

ステップ2:実物から解析する

ソースコードや開発記録が不十分な場合、実機のファームウェアや実行ファイルを解析する手法があります。

  • バイナリ解析:出荷済みのファームウェアイメージを展開し、含まれるファイル・ライブラリ・バージョン情報を抽出します。
  • 動的解析:実機を動作させながら通信や呼び出しライブラリを観察し、構成要素を推定します。
  • 文字列・シンボル抽出:バイナリに含まれる文字列からライブラリ名・バージョン文字列を検索します。

これらの解析は技術的なスキルが必要ですが、ゼロから記録を作るよりも現実的です。完全な精度が出なくても、主要なコンポーネントを把握できれば、脆弱性管理の出発点になります。

ステップ3:管理の仕組みを整える

SBOMは一度作って終わりではなく、製品のアップデートに合わせて更新し続ける必要があります。また、新たな脆弱性が公表されたときにSBOMと照合できる仕組みがあることで、初めて実用的な価値が生まれます。

最低限の運用として、以下を整えることを推奨します。

  • SBOMを参照・更新できる担当者の明確化
  • CVEデータベースや厚生労働省のセキュリティ情報を定期確認するフロー
  • 影響ありと判断した脆弱性の対応(パッチ提供・告知・報告)の手順

どこから頼めばいいか

SBOMの整備は、製品の構成・記録の状況・目的(承認申請・納入先対応・社内管理)によってアプローチが変わります。AIGISでは、現状のヒアリングから始め、製品の状態に合わせた整備方法をご提案しています。まず「自社製品の今の状況」を話していただくところから始められます。

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